火山岩頸
- 茂一 松村
- 8月2日
- 読了時間: 2分

山がちな地形を持つ伊豆半島ですが、その中でもひときわ人目をひく奇峰や奇岩があります。
例えば、上の写真の城山(じょうやま)(伊豆の国市)です。そのほかに、葛城山(伊豆の国市)、下田の下田富士・寝姿山、松崎町の烏帽子山などがあります。
これらの奇峰や奇岩は、かつて活動していた火山の火道(マグマが地上へ噴き出すための通り道・火口の煙突にあたる部分・火山の直下)の中で、マグマがそのまま冷え固まったものです。その後、周囲の柔らかい火山体(灰や溶岩など)が雨風で削られてなくなり、硬い芯の部分だけが地表に筒状・塔状に残って露出した地形を指します。
これらは「火山岩頸(かざんがんけい)」と呼ばれます。火山の根にあたる部分で、伊豆半島ジオサイトでは、「火山の根」とよく呼ばれます。
また、地層中に入り込んだマグマが冷え固まってできた岩体を総称して「貫入岩体(かんにゅうがんたい)」と呼びます。
貫入岩体のバリエーションの一つとして、火山岩頸があります。つまり、マグマがどのように既存の地層に入り込んだかによって、貫入岩体の形状や呼び名が変わります。
そのほかに、
・岩脈:地層の層理面を垂直や斜めに横切って板状にマグマが貫入したもの。
・シル:地層の層理面にほぼ平行に板状にマグマが滑り込んで固まったもの。
等があります。
火山岩頸に話を戻すと、「巨大な岩の塔」として山ごとそびえ立つ形状が典型的な火山岩頸のイメージです(例:上の写真の城山)。
ただし、下記写真の旭滝(伊豆市)も火山岩頸に分類されます。
なぜなら、その崖を作っている岩体全体が、かつての(海底)火山の「火道」そのものだからです。
上の写真の城山は、火道の直径が非常に大きく、周囲の地層が全体的に均一に削り落とされたため、中心の硬い芯(岩頭)がそのまま巨大な一つの山として取り残されました。
それに対して、下の写真の旭滝は、火道の「側面」にあたります。城山のように「塔の全体」が残って露出したのではなく、火山岩頸の側面が、川等の侵食によって「崖」として削り出された形状です。
最後に、地形的に明瞭でない「貫入岩体」は、伊豆半島のいたるところに存在するようですが、大型の火山岩頸は、白浜層群(浅い海での海底火山の時代)の中だけにほぼ限られるようです。
白浜層群については、このポートフォリオの「伊豆半島のおいたち」を参照してください。




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