火砕流
- 茂一 松村
- 7月4日
- 読了時間: 3分

今日は、火砕流のことを書きます。
火砕流とは、火山噴出物と火山ガスが一体となって、高温・高速で山肌を流れる現象です。普通、このようなものは、上に登るのですが、浮力を失ってなぜ地表を流れるのかは、まだ、解明されていないと思います。
1991年の雲仙普賢岳の噴火で世間に知られた用語ではないでしょうか。
火砕流は渦巻いた噴煙を上げながら、地表沿いに流れ広がるのが特徴です。
渦巻くのは、高温のガスに大気が取り込まれて急膨張するからです。質量の大きな火山岩片は地表上を沿いながら流れていきます。その上に、火山灰や小さな砂礫(砂、小石)と気体(火山ガス・空気)が混ざって渦巻いている部分があり、密度が小さいために流動性にとんでいて遠くまで広がります。
火砕流の勢いが強いと、火砕流の本体が停止した後も遠くまで広がってしまします。これを火砕サージといいます。
余談ですが、文章で書けばこうなりますが、「火砕流」と「火砕サージ」の厳密な区分けは難しく、最近では、合わせて、「火砕物密度流」と呼ばれることもあるようです。
火砕流は安山岩~デイサイト~流紋岩質マグマで起きやすいそうです。これは、マグマの粘性によると考えられています。これらの溶岩は、粘り気が強く、火山ガスが抜けにくいために限界に達したときに爆発(噴火)するためです。
写真は、カワゴ平火山の噴火によって形成された火砕流の蓄積物です。約3200年前に噴火したと考えられています。カワゴ平火山は、
噴火→溶岩ドーム形成→噴火(溶岩ドーム粉砕)→火砕流発生
という道筋をたどったと考えられています。ちなみに、カワゴ平火山は、流紋岩質溶岩で、伊豆東部火山群では珍しい種類の火山岩です。
カワゴ平火山には、初物が3点あります。
①伊豆東部火山群史上初めて流紋岩質マグマを吹き出しました。
②伊豆東部火山群史上初めて火砕流を発生させた。
③災害の範囲が広範囲に及んだ。
伊豆東部火山群は、1989年の手石海丘の噴火にもみられるように活火山です(手石海丘は伊豆東部火山群に属します)。
手石海丘のマグマは、玄武岩質マグマですが、カワゴ平火山は流紋岩質マグマで、かつ、伊豆東部火山群の中で、新しい噴火の部類に入ります(手石海丘が一番新しいのはそうですが)。カワゴ平火山以前の噴火は、玄武岩~安山岩質溶岩の噴火でした。
流紋岩質マグマ噴火は、大災害につながる可能性が高いです。
伊豆東部火山群の「マグマだまり」の性質が、玄武岩~安山岩質溶岩→デイサイト~流紋岩(大災害を起こす可能性大)に移行しつつあるのではという論文を読んだ記憶もあり、心配です。
※伊豆東部火山群について
伊豆東部火山群は、単成火山(同じ火口から1回しか噴火しない火山)の集まりです。その下に、大きな「マグマだまり」があると考えられています。そのマグマが噴火するときにいろんなところから噴火して、多数の単成火山ができます。



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